楽しむという意識

「大西さんはハナクソですよ。みんなが楽しければそれでいいじゃないですか」
なんと…かつて青年部を賑わせた、あのOBにそっくりだ…
その時、私は新しい時代を感じました。

二人の囚人が鉄格子から外を眺めた。
一人は泥を見た。 一人は星を見た。
フレデリック・ラングブリッジ「不滅の詩」より

物事には必ず、綺麗な側面と醜い側面、または良い側面と悪い側面があります。
どちらに目を向けるかはその人次第。
どちらも両面認識はバランスよくしなければなりません。

しかし、醜くて悪いものばかり見続けてしまうと、
心が荒み疲れてしまう気がします。
その逆は…どうでしょう

今年度、ひたすら物事の綺麗で良い側面を見続けて、
常にポジティブに前を向き、楽しむことを心掛けた委員長がいます。
地域貢献委員会 高橋清造委員長です。
地域貢献委員会は今年度、清掃事業とクリスマスサンタ事業を行なって頂き、
見事に大成功を収めて頂きました。

清掃事業もクリスマスサンタ事業も毎年行なっている事業です。

余談ですが、高橋委員長に初めてお会いしたのは消防団での飲み会でした。
彼の仕事は生コンの製造販売です。高橋委員長は言いました。
「私の仕事は地域からどうしても嫌われることが多い。だからこそ地域貢献をしたい。
地域に恩を返したい。でも方法がわからない。青年部で地域貢献の手法を学びたい。」

こういう若者こそ、青年部にふさわしいのではないでしょうか。
そういった流れで、地域に密接に関われる事業を担当して貰いたいと思い、
清掃事業とクリスマスサンタ事業をお願いした次第でございます。
ちなみにこの事は、高橋委員長本人は酔っていて余り憶えてなかったようです(笑)

また、毎年の事業でもありますので、極端に難しくないのも、
この2つの事業の特徴です。

しかし… 高橋委員長は悩んでおりました…
初めての委員長です。悩むのはしょうがない。 そう思い、話を聞きました。
すると… 「どうすれば参加した人全員が楽しめるか?」 といった悩みでした。
今思えば、高橋委員長は、何事にも常にそれを考えていたと思います。

毎年のゴミ拾い事業は、正直あまり人気のある事業ではございません。
こまめにゴミを拾う作業は、中々に大変で、モチベーションが下がりがち。
人集めも苦労します。
高橋委員長はそのあり方を大幅に変えました。
近隣の小学校に呼び掛けて、子供たちを集め、その子供たちと共に、
ゲーム形式のゴミ拾いとしました。
ゴミ一個に付き1点と言う風に。
結果、我先に争わんばかりの勢いで子供たちが無我夢中になってゴミを拾います。
モチベーションは常に最高潮。人手も子供たちが加わる事で十二分。

また、クリスマスサンタ事業も毎年通りではなく、
今年度は「サンタ力の向上」というテーマを掲げ、
サンタらしいサンタを演じる事を徹底しました。
これは、子供の夢を壊さない配慮になるばかりか、
サンタ側も本格的に演じる事が結構、楽しいのです。

高橋委員長の手法はとても合理的です。
しかし、高橋委員長が常に目を向けていたのは…
事業を行なう事により生まれる、溢れんばかりのたくさんの笑顔ではないでしょうか。
大人も子供も分け隔てなく、温かくて幸せなあの笑顔。

実際、清掃事業もクリスマスサンタ事業も、事業が終わった後には、
関わった方全てが笑顔でした。
そしてみんなが笑いながら一言。「またやって欲しい」

本人は自覚しているかわかりませんが、これが地域貢献の根本ではないでしょうか。
地域にたくさんの笑顔を生み出す。
「またやって欲しい」と地域から望まれる。そして継続する。
もう立派な地域貢献です。
地域貢献は市民の方も運営する側も双方が楽しんでこそだと感じました。

そう言えば思い出します。
2年ほど前。青年部で研修旅行に行った晩の事。
高橋委員長が気分良くみんなの飲み代を払った事がありました。
私は、それは良くないと感じて、本人に軽く注意をしました。
そしたら…
「大西さんはハナクソですよ。みんなが楽しければそれでいいじゃないですか」
まぁ、私をハナクソと言ったのはさて置き(笑)
みんなが楽しければいい…その発想はとても勉強になりました。

私は高橋委員長から「楽しむ」という意識を学びました。
青年部長として青年部活動に関わった全ての方に楽しんで頂く。
どんな物事も楽しい事ばかりじゃありません。
しかし、楽しい所に目を向けて、先ずは自分が楽しみ、
その楽しみを周りに伝播して…

そうすることによって、部全体を楽しい雰囲気にしていく。
普通に人がツライ・苦しいと思う事でも青年部長に掛かれば、楽しくなる。
部の雰囲気をどんどん明るいものにして、皆を引っ張って行く。
そういう青年部長こそ頼りがいがあると思いませんか?

今年度私は、勿論自分も楽しく、みんなも楽しくあるよう、
常に「楽しむ」を心掛けました。
委員会事業も難しい議事の進行等も、キッチリ行なうだけでなく、
楽しくなるよう、 細かい工夫等を心掛けました。
また、つらいとか面倒くさいとか言った、楽しさを損なう言葉も一切控えました。
青年部長がネガティブな言葉を率先して言ったら、間違いなく部は楽しいから、
かけ離れてしまいます。

また、楽しいからこそ記憶に残り易く大きな学びに繋がります。
地域貢献に限らず、他の青年部活動や仕事にも大変重要な事だと思います。

地域貢献委員会のメンバーのみなさま!
本当に一年間ありがとうございました。
いくら委員長が楽しむを考えても、皆様の支えがあってこその実現だと思います。
心より深く感謝申し上げます。
<m(__)m>

また高橋委員長!
貴方は、常に人の良い所、綺麗な所を見続けて、ひたすらに前を向く。
口を開けば、人のここが凄いと言ったような、ポジティブな発言しか
聞いた事がありません。
また、何をやって楽しもうかと、いつも目がキラキラしています。
そんな貴方の性格だからこそ、大勢の人が貴方を助けたくなるのでしょう。

それは貴方の資質そのものです。
正直、綺麗な星を見続けられる貴方を、私はとても羨ましく思います。

来年度は、引き続き委員長と聞いております。 どうか、貴方のその資質で、
委員会をそして青年部全体を「楽しい」で一杯にして下さい。
そして今度は、貴方自身が綺麗な星となって、後輩達に見せてあげて下さい。

…この一年、私は貴方の星になれたでしょうか?
少なくとも私にとっては、貴方は光り輝いている星そのものでした。
これからもそんな貴方を支えて行けたらと切に願います。

この一年、輝きをありがとうございました。
<m(__)m>

追伸、
だからと言って、私をハナクソと言った事は忘れない(笑)
泥を見る大西より